看護大学や看護専門学校と比較すると、その校数が少ないとされる看護短期大学。理由としては、それぞれの学校の制度を比較すると、卒業までの年数が大学と比較して1年早い以外はそれほどの差異が無いからだと言われています。そのため、学校側が短期大学の設立に消極的で、どちらかと言えば4年制の看護大学の設置に前向きであるためだと言われています。
学生の側からするとどうでしょうか。例えば、短期大学の場合、卒業時に養護教諭の資格を得ることができる学校もありますし、准看護師資格を持っている人の場合は2年で卒業できます。
専門学校と比較すると、カリキュラムの中に一般教養の教科もあるので、看護だけにとらわれない幅広い知識を学習することができますし、自分は学習が足りないと感じた場合は、3年次に大学に編入することも可能です。
さらに、ほとんどの場合が大学の医学部や大学病院に併設されているので、卒業後の進路についてもそれほど心を煩わすこともありません。ですので、学生側から見ればそれほど悪い選択では無いと言えます。
また、中には看護大学と同じように統合カリキュラムを採用している学校もあります。この場合、卒業と同時に保健師や助産師の国家試験の受験資格も得ることができます。
このことから、重要なのは短期大学に進むか別の学校に進むかというよりは、どの教科を持っている学校に進むかがポイントになるでしょう。
残念な事に、近年は有名な看護短期大学が次々と廃止の憂き目にあっています。中には、廃止までの経緯で不透明な部分があって騒動になった例もあります。
しかし、それでも全ての学校がなくなるわけではなく、全国を見渡せばまだまだ多くの学校があることがわかります。当然ながら各校にそれぞれの教育方針があり、卒業後の進路も数々ありますが、正看護師になるためのステップと考えた場合、最も短い期間で受験資格を得ることができるという点はポイントとしてあげても良いのではないでしょうか。
高校の衛生看護学科を卒業して准看護師試験に合格している場合は、中学校を卒業してから5年で正看護師試験の受験資格を得ることができます。そういう意味では、看護の現場だけでなく、社会にもっとも近い学校であるとも言えます。
学校の少なさや、そこから看護師を目指す人も比較的少ないことから、短期大学出身の看護師というだけで異色の経歴の持ち主として注目される事もあるでしょう。